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A:
ガドテル酸メグルミンは動物実験の結果、乳汁中に移行することが報告されています1)。
よって、ガドテル酸メグルミン静注38%シリンジ「GE」の添付文書にも、下記のような記述をしております。
ガドテル酸メグルミン静注38%シリンジ「GE」添付文書
9.特定の背景を有する患者に 関する注意
9.6 授乳婦
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ヤギ静脈内投与)で乳汁中に移行することが報告されている。
また、日本医学放射線学会 造影剤安全性委員会から発出されている「授乳中の女性に対する造影剤投与後の授乳の可否に関する提言」2)では、次のように記述されています。
「ガドリニウム造影剤について、投与後24時間以内の母乳への移行は投与量の0.04%未満、乳児の消化管からの吸収は母乳中の造影剤の1%未満である3)4)。
以上のような海外のガイドラインでの取り扱いならびに母乳への造影剤の移行に関する基礎データを勘案すると、造影剤使用後の授乳による児への影響は非常に小さいと考えられます。したがって、当委員会としては特段の理由のない限り、造影剤使用後の授乳制限は必要ないものと判断いたします。
造影剤使用後の授乳についての対応は、主治医が母親に対し、1)造影剤使用による検査の必要性、2)造影剤使用後の授乳及び授乳制限による影響について説明し、よく相談した上で決定することが望まれます。」。
[参考文献]
1)マグネスコープ静注38%シリンジ申請資料
https://www.pmda.go.jp/drugs/2000/g000902/index.html
2)授乳中の女性に対する造影剤投与後の授乳の可否に関する提言 (2019 年 06 月 27 日 日本医学放射線学会 造影剤安全性委員会)
3)Wang PI, Chong ST, Kielar AZ, et al. Imaging of pregnant and lactating patients. I. Evidence-based review and recommendations. AJR Am J Roentgenol 2012;198(4): 778–784.
4)Kubik-Huch RA, Gottstein-Aalame NM, Frenzel T, et al. Gadopentetate diglumine excretion into human breast milk during lactation. Radiology 2000;216(2):555–558.
A:
添付文書には下記の項目に、「重篤な腎障害のある患者では、ガドリニウム造影剤によるNSFの発現のリスクが上昇することが報告されているので、腎障害のある患者又は腎機能が低下しているおそれのある患者では、十分留意すること」となっております。
ガドテル酸メグルミン静注38%シリンジ「GE」添付文書
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害のある患者
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。本剤の主たる排泄臓器は腎臓であり、腎機能低下患者では排泄遅延から急性腎障害等の症状が悪化するおそれがある。
9.2.2 長期透析が行われている終末期腎障害、eGFR(estimated glomerular filtration rate:推算糸球体ろ過値)が30mL/min/1.73m2未満の慢性腎障害、急性腎障害の患者(重篤な腎障害のある患者を除く)本剤の投与を避け、他の検査法で代替することが望ましい。
ガドリニウム造影剤による腎性全身性線維症の発現のリスクが上昇することが報告されている。
9.2.3 腎機能障害のある患者又は腎機能が低下しているおそれのある患者(重篤な腎障害のある患者を除く)患者の腎機能を十分に評価した上で慎重に投与すること。腎機能が悪化するおそれがある。
11. 副作用
11.1 重大な副作用
11.1.2 腎性全身性線維症
(Nephrogenic Systemic Fibrosis、NSF)(頻度不明)
外国において、重篤な腎障害のある患者への本剤使用後に、腎性全身性線維症を発現した症例が報告されているので、投与後も観察を十分に行い、皮膚のそう痒、腫脹、硬化、関節の硬直、筋力低下等の異常の発生には十分留意すること。
また文献によれば、
MRI検査においてガドリニウム造影剤が使用されたうち88.9%が、ガドテル酸メグルミンが使⽤された、⻑期透析を受けている成⼈患者を対象とした臨床研究では、副作用としてNSFは⾒つからなかったと報告されています1)。また、ガドリニウム造影剤(ガドベン酸ジメグルミン、ガドテリドール、ガドテル酸メグルミン、およびガドブトロール)を投与されているステージ 4 または 5 の慢性腎臓病患者(透析患者を含む)におけるNSFのリスクを調べた研究では、NSFの発生はなかったとし、発現頻度の95%信頼区間の 上限値を 0.07%と推定しています2)。
また、NSF とガドリニウム造影剤使用に関する合同委員会 (日本医学放射線学会 日本腎臓学会)から発出されている「腎障害患者におけるガドリニウム造影剤使用に関するガイドライン (第 3 版: 2024 年 5 月 20 日改訂)3)には、以下の記述があります。
可能な限りガドリニウム造影剤の投与を避け、他の検査法で代替することが望ましい病態として以下のものがある。
1)長期透析が行われている終末期腎障害
2)非透析例で eGFR が 30ml/min/1.73m2未満の慢性腎不全
3)急性腎不全
他の検査法で代替困難な場合は、NSF のリスクを考慮し、ガドリニウム造影剤の適正使用量を守る、繰り返し使用する必要がある場合は可能な限り間隔を空けるなど、十分に注意して投与する。
さらに、本ガイドラインの参考部分には欧州泌尿生殖器放射線学会(ESUR)のガイドラインが掲載されており、以下の記述があります。(一部改変)
ESUR Guidelines on Contrast Agents ver. 10.0. (European Society of Urogenital Radiology)
eGFR が 15ml/min/1.73m2未満の患者と透析患者においてリスクがあるとしている。また、
eGFR が 30ml/min/1.73m2未満の患者は NSF のリスクが低いガドリニウム造影剤
(ガドテリドール、ガドテル酸メグルミン、ガドブトロール)を注意して使用し、連続して使用する場合は、投与間隔は 7 日以上空けるとしている。
[参考文献]
1)Amet S, Launay-Vacher V, Clément O, et al. Incidence of nephrogenic systemic fibrosis in patients undergoing dialysis after contrast-enhanced magnetic resonance imaging with gadolinium-based contrast agents: the Prospective Fibrose Nephrogénique Systémique study. Invest Radiol 2014; 49:109-115.
2)Woolen SA, Shankar PR, Gagnier JJ, et al. Risk of nephrogenic systemic fibrosis in patients with stage 4 or 5 chronic kidney disease receiving a group II gadolinium-based contrast agent: a systematic review and meta-analysis. JAMA Intern Med 2020; 180:223- 230.
3)腎障害患者におけるガドリニウム造影剤使用に関するガイドライン (第 3 版: 2024 年 5 月 20 日改訂)https://www.radiology.jp/content/files/gbcansf-gdl_202405.pdf
A:
ESUR Contrast Media Safety Committee guidelines1)においては、ガドリニウム造影剤は経腎的に排泄される為、血中からの消失半減期を考慮した安全な投与間隔として、腎機能別に以下のような投与間隔を記述していますので、造影検査を再び行う場合には、その必要性・緊急性と造影剤消失までの時間を考慮の上、可能な限り十分な間隔を明けることが推奨されています。
●腎機能が正常に低下している患者(eGFR >60ml/min/1.73m2)では、ガドリニウム造影剤投与を伴うMRIの間隔として、望ましくは12時間 /少なくと も 4時間
●中等度腎機能低下の患者(eGFR 30~60ml/min/1.73m2)では、ガドリニウム造影剤投与を伴うMRIの間隔として、望ましくは48時間/少なくと も16時間
●腎機能が著しく低下した患者(eGFR < 30ml/min/1.73m2)では、ガドリニウム造影剤投与を伴うMRIの間隔として、望ましくは7日間/少なくと も2.5日間
また、本邦でも「腎障害患者におけるガドリニウム造影剤使用に関するガイドライン」第 3 版(2024 年 5 月 20 日改訂)2)において、腎性全身性線維症(Nephrogenic Systemic Fibrosis; NSF)のリスクが考慮されており以下の様な記述がされています。
可能な限りガドリニウム造影剤の投与を避け、他の検査法で代替することが望ましい病態として以下のものがある。
1)長期透析が行われている終末期腎障害
2)非透析例で eGFR が 30ml/min/1.73m2未満の慢性腎不全
3)急性腎不全
他の検査法で代替困難な場合は、NSF のリスクを考慮し、ガドリニウム造影剤の適正使用量を守る、繰り返し使用する必要がある場合は可能な限り間隔を空ける※など、十分に注意して投与する。
※ESUR のガイドラインでは 7 日以上の間隔を空けることが理想的であるとしている
[参考文献]
1)van der Molen AJ,et al. Waiting times between examinations with intravascularly administered contrast media: a review of contrast media pharmacokinetics and updated ESUR Contrast Media Safety Committee guidelines. Eur Radiol. 2024 Apr;34(4):2512-2523.
2)腎障害患者におけるガドリニウム造影剤使用に関するガイドライン (第 3 版: 2024 年 5 月 20 日改訂) https://www.radiology.jp/content/files/gbcansf-gdl_202405.pdf
よくある質問: Rev.1.0 2024/07 4G·1 (MA·IN) V4B30 JB10245JA