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全身用骨密度測定器(DXA)をどう選択するか?

かみむらクリニック 院長 上村 幹男 先生

 

 

 

はじめに

私は大学で脊椎疾患の診療、最先端脊椎手術を追及する等の勤務を積み重ねた後(1999年)、地域の基幹病院に転任し、一般整形外科の診療を行う中で骨粗鬆症と関節リウマチを専門としていました。

 

その当時の骨粗鬆症診療にはGE社製ではない米国他社製の全身DXA装置(腰椎・大腿骨などの部位を計測できるDXA装置。以下、全身DXA装置)を使っていました。その後(2006年)、開業の際に改めて全身DXA装置を選定導入したのはGE社製の全身DXA装置でした。以来10年以上、今日もGE社の全身DXA装置を使用し日々診療を続ける傍ら、研究論文活動も続けています。

 

さて、今回は全身DXA装置の選定に重要なポイントを私からご紹介します。

これから導入される、もしくはこれから買い替えられるご施設の皆さん、是非、参考にしてください。

今後も皆さんに有益と思われる情報は積極的に発信して行く所存です。

骨密度測定器(DXA)をどう選択するか?

日本では全身用DXA装置は数社から販売されています。

 

どのような基準で選択すればよいのでしょうか?

 

- 精度でしょうか?

cv kamimura201701_02_a

いいえ。

実は骨密度を測定する精度に関しては、10年以上前から十分な精度に達していると言えます。それは体重計における精度に例えると分かりやすいと思います。体重計において体重をグラム単位まで計測する必要があるでしょうか? "他の体重計は100g単位ですが、新型は1g単位で測定できます"と言われて高性能で1g単位の体重計に買い替えなければならないでしょうか? 実際には100g単位で四捨五入するでしょうから、計算が面倒なだけで、たとえ装置の精度が高くても、その精度は診断には生かされません。

以前からDXA装置には骨粗しょう症の診断に必要十分な性能(精度)があります。 言い換えると、購入したDXA装置は(パソコンやソフトウェアのバージョン以外は)将来的に診断困難な古い陳腐な機種になりにくく、長く使用することが可能です。(注)

 

- では何を基準に選択すればよいのか?

 

それはランニングコストです。

DXA装置の場合、故障に備えた保守費用(万が一壊れたらその都度修理費を払えばゼロです)以外に必要なコストは、わずか電気代とプリンタのインク代程度です。最大のコストは人件費です。実際の測定をレントゲン技師が行う場合でも医師が行う場合でも、患者さんには通常、看護師がついて介助します。すなわち検査には2人の人件費が必要です。

 

 

 

- コスト(人件費)に最も影響するのは検査に必要な時間です。検査時間=スキャン(測定)時間でしょうか?

 

いいえ、違います。

検査時間とは検査が始まって結果が出るまでの時間です。DXA検査では患者さんを本体に寝かせ、肢位を決めて、スキャン(測定)をする、そして、解析が終了するまでが検査時間です。GEの全身DXA装置では、1度患者さんを寝かせると、患者さんを移動させる必要はありません。このため患者さんが楽なだけではなく、実際に検査全体に必要な時間が短くなります。

 

この事実は現場を頭の中でシミュレーションすれば容易に理解できると思います。解析の時間も重要です。スキャンが短時間で終了しても解析に時間と手間がかかれば意味がありません。特に自分で検査する開業医では、測定に時間がかかるようなDXA装置であれば、それを導入することは困難です。

 

DXA装置の購入を検討する際には実際の検査の様子を見ることをお勧めします。

 

それが困難であれば検査の状況をシミュレーションしてみましょう。また、解析はPCで見ることができると思います。

腰椎と大腿骨の両方を同一日に測定することは、保険点数(450点=360点+90点)がついて一般的になりました。

 

DXA検査による骨密度測定 診療報酬点数

 

450点 = 360点 + 90点

 

DXA法による腰椎骨密度測定 360点ですが、

同一日で大腿骨骨密度測定を行った場合には、

大腿骨同時骨密度測定加算として、90点を所定点数に加算される。

 

 

 

- 大腿骨は片側でよいのか?

cv kamimura201701_04

実は大腿骨の骨密度に左右差は無視できるほど小さくはありません。

片側だけの測定で骨粗鬆症を見逃すことは患者さんにとって極めて重大な問題です。

一方で骨粗鬆症を見逃すことは医療機関にとっても損失であることは事実です。

骨粗鬆症の検査では腰椎と両側の大腿骨、3ヶ所を測定することが重要です。

 

高価なものは車でも家でもカタログだけで買う事はありません。DXA装置の購入の際には、動画でも良いので実際に自身で検査の様子を見て頂き、検査の実際を知って頂くことが重要です。

最低でも検査をシミュレーションして判断して頂ければ、DXA装置の選択における失敗は少なくなると思います。

骨粗鬆症の検査では腰椎と両側の大腿骨、3ヶ所を測定することが重要です。

詳しくは「Lunar News 03:大腿骨近位部DXAは両側で行う必要があるか」 をご参照下さい。

 

(注)骨密度測定装置の性能・精度についてもう少し説明をします。

 

骨密度測定装置の性能・精度について考える際には、

 

  • X線管球から照射されるX線束(ペンシルビーム、ワイドおよびナローなファンビーム)が 如何に対象部位に対して走査するか?
  • その透過されたX線をいかに効率よく検出するか?
  • そして、その情報を(画像再構成処理など)どう扱うか?
     

に注目されると思います。

 

特に、測定精度に影響すると言って多くの方々が気にしがちなのは検出器の素子数ですが、照射X線の扇形の幅(ペンシルか、ワイドか、ナローか)とその動かし方で必要な素子数が異なります。更に素子数が多いからといっても、一つ一つの素子の検出能力が特別に高くなければ、測定精度には効いてきません。

 

それよりも、体内にある骨が吸収するX線の情報を活用して定量換算表示を行うことが目的であるDXA装置においては、ソフトウェアの能力向上が重要です。患者の状態は様々で、それらの違いを認識していかに骨密度を計算できるかが測定精度を左右します。そのソフトウェアの能力向上は、常に進歩しています。購入したDXA装置においてはソフトウェアのバージョンとPCのバージョンアップが必要になることはあるものの、ハードウェアの陳腐化はしにくいものと言えます。その結果、DXA装置は長く使用し続けることが可能です。

 

※お客様の使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

薬事情報

PRODIGY Fuga
医療機器認証番号:21500BZY00582000号
販売名称:X線骨密度測定装置 PRODIGY
PRODIGY FugaはenCORE SW V16.sp1以降のVersionを搭載する
左記医療機器のニックネームです。