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高齢化の進展を背景に、骨粗鬆症患者が増加しています。骨粗鬆症は二次骨折を引き起こしやすく、生命予後にも影響を及ぼす重大な疾患ですが、発見が遅れやすく、継続的な治療が行われにくい課題があります。本記事では、骨粗鬆症にかかわる定期検査に効果的な方法や、地域ぐるみで骨粗鬆症治療に取り組むためのリエゾンサービスについてご紹介します。
■増加する骨粗鬆症の患者と生命へのリスク
・増加する骨粗鬆症の患者
・生命予後に大きな影響を及ぼす骨粗鬆症
■治療率と継続治療率の低さが問題となる骨粗鬆症
・骨粗鬆症は症状が出にくいため、発見が遅れやすい
・治療継続率の低さが二次骨折につながる
■骨粗鬆症の治療に重要なDXA法による検査
■地域ぐるみで骨粗鬆症の治療に取り組む骨粗鬆症リエゾンサービス (OLS)
■骨粗鬆症の二次骨折防止のための新たな診療報酬
骨粗鬆症は骨強度と骨質が低下し、骨折のリスクが増大する特徴を持つ疾患であり、日本国内において重大な公衆衛生問題となっています。
増加する骨粗鬆症の患者
平成29年度に厚生労働省が実施した患者調査の報告によると、日本国内における骨粗鬆症の推定患者数は、2014年には約54万4000人であったのに対し、2017年には62万9000人にまで増加しました。このように、骨粗鬆症の患者数は年々増加しており、深刻な問題となっています。

生命予後に大きな影響を及ぼす骨粗鬆症
骨粗鬆症で骨折しやすいのは椎体、大腿骨近位部、下腿骨、橈骨遠位端、上腕骨近位部などの部位ですが、特に 大腿骨近位部の骨折は生命予後への影響が大きい ことが報告されています。
Dana Bliucらが行なった調査によると、大腿骨を骨折した患者の死亡率は健常者と比べ、女性で2.43倍、男性で3.51倍にまで増加することが明らかになっています。
高齢者の場合特に、骨折した部位によっては介護が必要になることなどを踏まえると、高齢化が急速に進む日本では、骨粗鬆症は今後さらに重大な問題となることが予想されます。しかし、その治療においては課題があります。
骨粗鬆症は症状が分かりにくく、それゆえに治療率や治療継続率が低い点が課題です。このことが初期骨折や二次骨折の原因となっています。
骨粗鬆症は症状が出にくいため、発見が遅れやすい
骨粗鬆症は初期症状が出にくく、発見が遅れやすい傾向があります。そのため、骨折して始めて骨粗鬆症を患っていることに気付く患者も少なくありません。
治療継続率の低さが二次骨折につながる
大腿骨を一度骨折すると、二次骨折の発生リスクが増大するため、二次骨折を起こさないよう治療を継続することが重要です。しかし、国内では 二次骨折防止のための医療が十分に行なわれていない現状があります。宮腰らが行なった調査によると、日本における骨折後の骨粗鬆症治療の実施率に関して、骨粗鬆症治療を必ず行うと回答した医療機関は、急性期の医療機関で約1割、回復期の医療機関で約2割でした。
このように、骨粗鬆症の治療率や治療継続率の低さが問題となっている中、DXA法による定期的な検査が重要視されています。
初期骨折や二次骨折の防止を防止するためには、定期的に検診を行い、骨評価や骨密度の測定を行なうことが重要です。これらを評価・測定する方法はいくつかありますが、代表的なものとしてDXA法があります。
DXA法は、微量なX線を用いて骨を構成するカルシウムなどを測定する検査方法です。通常のレントゲンと比べ、被曝量が極めて少ない上に、精度が非常に高く、検査結果も分かりやすい 点が特徴です。継続的な治療が可能であり、多くの医療機関で導入され始めています。
このように、DXA法による定期的な検診・フォロー検査により、初期骨折や二次骨折のリスクは軽減可能です。最近では、この検診を根付かせていくための骨粗鬆症リエゾンサービスという活動が行われており、サービスを提供してくれる かかりつけ医の重要性が高まっています。

骨粗鬆症の治療率や治療継続率を向上させるためには、定期的なDXA法による検診と治療を行うことが、最初の脆弱性骨折やその後の再骨折を防ぐためには大切である、という考えを浸透させていく必要があります。そこで、医師だけでなく、看護師や薬剤師など医療関係者全員が連携し、地域ぐるみで取り組む活動として「骨粗鬆症リエゾンサービス」(OLS : Osteoporosis Liaison Service/FLS:Fracture Liaison Service)が推進されています。
リエゾンは「橋渡し」や「つなぎ」といった意味を持ち、病院やクリニックはもちろん、地域社会と連携しながら骨の検査を根付かせていくことを指しています。この活動を通じて、骨粗鬆症の治療率や治療継続率高王を目指すことが大切です。
こうした骨折治療の継続のため、以下のように新たな診療報酬制度が設けられました。
骨粗鬆症による脆弱性骨折防止のための取り組みとして骨粗鬆症リエゾンサービスが展開されていますが、特に脆弱性骨折患者の二次骨折に対する重点的な予防策が必要とされています。
そこで、骨粗鬆症治療による二次骨折の予防を図るため、2022年度に骨粗鬆症を有する大腿骨近位部骨折患者に対して、早期に必要な治療を実施した場合に算定可能な診療報酬が制定されました。
この報酬制度では、大腿骨近位部骨折の患者に対して継続的に骨粗鬆症の評価を行い、必要な治療等を施すことが要件として定められています。
こうした点からも、やはりDXA法による正確な骨の診断が重要であると言えます。
これまで述べてきたように、骨粗鬆症の予防・治療にはDXA法による正確な計測結果が求められます。
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